【2023/10/12追記】参考文献に畠山けんじ・久保雅一『ポケモン・ストーリー』を追加
2023年5月13日および14日に行われた、第7回リモートポケモン学会にて、ポケモンの名前の翻訳方針について、フランス語のローカライズの事例と、世界共通名称の2つを軸に発表いたしました。
リモートポケモン学会についてはこちらを参照
元になった記事
基本的に、クレイジーポケモンメディアAppdateに寄稿した記事2本を、最新作SVの情報を踏まえて修正したものになります。【ポケモンUSUM・ポケモン剣盾】フランス語でポケモンをプレイしたときに起きたこと【コラム】
フランス語版ポケモンの翻訳と他言語版との違い―フランス語でポケモンをプレイしておきたこと その2―
動画リンク
配信の切り抜きのはこちら。
当日のアーカイブおよび、後日行われた発表者による座談会のリンクはこちらです。
座談会では当日回答できなかった質問に対しても答えております。
補足 フランス語以外の言語について
発表は時間の都合で省略しましたが、「フランス語のみ」と言及した用語については、ポケモンのゲーム9言語を確認した上で発言しております(「ふしぎなおくりもの」のフランス語訳については、他の8言語全てを確認した上で、「フランス語のみ」と断定しております)
参考文献
(2023/8/21追記)
当日の発表で参考文献のスライド見せていなかったため、ここに掲載します。
公式発表
【日本語】
「世界初公開。」2010年5月29日付読売新聞東京版広告 朝刊20面・21面
https://www.nintendo.co.jp/3ds/interview/ekjj/vol1/index.html
・「海外版と通信して『ポケットモンスターブラック2・ホワイト2』をさらに楽しもう」https://www.pokemon.co.jp/ex/b2w2/koryaku/koryaku04.html
【英語】
Pokémon Legends: Arceus | Gameplay | Official Website | https://legends.pokemon.com/en-us/gameplay/
Pokémon Red Version and Pokémon Blue Version | Video Games & Apps
https://www.pokemon.com/us/pokemon-video-games/pokemon-red-version-and-pokemon-blue-version/
【フランス語】
Pokémon-France - Jeux, Pokédex, Cartes, Animé - Pokémon GO, Soleil & Lune
https://www.pokemon-france.com/rubrique/jeux-video/rouge-bleu/
LE POKÉDEX ET LE MOTISMART| Pokémon Épée et Pokémon Bouclier
https://swordshield.pokemon.com/fr-fr/gameplay/about-pokedex-rotom-phone/
Légendes Pokémon : Arceus | Mécaniques de jeu | Site officiel | Pokémon
https://legends.pokemon.com/fr-fr/gameplay/
https://twitter.com/PokemonFR/status/1591016963656253440?s=20
ポケモン関係者による記事
【日本語】
・畠山けんじ/久保雅一『ポケモン・ストーリー』(日経BP社 2000年)
*2002年に角川文庫に再録(角川文庫版は上下巻に分かれる)*1
・2017年7月8日放「ワールドビジネスサテライト」テレビ東京系列で放映
・「ピカチュウは大福? 初めて明かされる誕生秘話」2018年5月2日付「読売新聞」
https://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/20180501-OYT8T50139/2/
・「増田部長のめざめるパワー」2008/2/18 第122回
https://www.gamefreak.co.jp/blog/dir/2008/02/index.html
・増田順一氏のTwitter
https://twitter.com/Junichi_Masuda/status/140232435769155584
https://twitter.com/Junichi_Masuda/status/140306065232363520?s=20
【フランス語】
・“Neo”によるバーダコフ氏へのインタビュー
hytps://www.instagram.com/reel/CrbPeNsA2ja/?igshid=MDJmNzVkMjY%3D
Cinq questions à Julien Bardakoff, traducteur officiel des noms de Pokémon
https://www.youtube.com/watch?v=sW5sFZY7ohM
Libération.fr – Pokémon, traduisez-les tous
https://www.liberation.fr/apps/2016/06/pokemon/#item-10o
その他
【日本語】
・【ポケモンUSUM・ポケモン剣盾】フランス語でポケモンをプレイしたときに起きたこと【コラム】https://app-date.net/pokemoninfrench/
・フランス語版ポケモンの翻訳と他言語版との違い―フランス語でポケモンをプレイしておきたこと その2― https://app-date.net/pokemoninfrench2/
・ポケモンバトルはいつ始まるのか? 「目と目があったら ポケモンバトル」を7言語で比べてみた
https://carrefourpokemon.hatenablog.com/entry/2018/09/27/200000
・「トリプルバトル総合情報サイト」通称トリプルwiki「第七世代以降との違い」中「各言語の仕様について」
【英語】
How Pokemon Red & Blue were Changed Around The World - Did You Know Gaming? Ft. Dr. Lava - YouTube
この動画でも、バーダコフ氏の翻訳について紹介している。
動画中、「欧州版の翻訳者の中で、もっもと有名で歴史的に重要なのは、フランス(語)のジュリアン・バーダコフである」と語っておりますが、これについては私も同意見です。
『[旺文社]ロワイヤル仏和中辞典 第2版』白水社 2005年
ゲーム画面の画像については割愛(各ページに記載)
以上
*1:プレゼンでは直接参照できなかったが、「第3章 アメリカ」にてローカライズに触れているのでここに載せた。基本的なプレゼンの構成に変化はないが、プレゼンをする前に読んでいれば確実に参考文献として紹介するべき本であった。アメリカで販売するにあたり、任天堂のアメリカ支社(NOA)も、アメリカではポケモンのような「かわいい」デザインは受けず、またRPGのような複雑なゲームは流行らないだろうと判断していたという。ピカチュウはじめポケモンのデザインの変更も検討したという。しかし。蓋を開けてみると、実際にはアメリカの子供には受けて、ポケモンのデザイン等に関しては日本版と変更する必要は無かったという結論に至った。
本書では欧州版のローカライズについては紹介していないため、プレゼンで紹介した、欧州版販売にあたり、日本側がポケモンの名前を全て日本語と同じにしようとした理由についてバーダコフ氏の回想(商標管理の都合)以外の典拠を見出すことができなかった。
ただ、もしかしたら、アメリカでの「成功」で、無理に他の国に合わせなくても日本版と同じものを売っても問題ないのではないか、という考えがあり、その延長で、名前も同じにするという方針が出来た可能性がある。ただし、あくまでも推測の域を出ない